Last Updated on 2013-04-22 by matsuyama
こんにちは、弁理士松山裕一郎です。
東商新聞2013年4月20日版(発行、東京商工会議所)の記事「中小の海外展開と知財人材育成の強化を~東商、政府に知財政策に関する意見提出」によると、東京商工会議所知的財産戦略委員会は、2012年8月、9月にかけて行った、知的財産に関する調査の結果報告書において、以下の点を指摘しているとのことです。
① 技術・営業情報の流出被害 26・5%
・流出経路は「退職従業員」「業務提携先」が多かった。
② 模倣品被害 31.8%
・被害の対応では、訴訟まで行う企業は13.6%に留まっている。
③ 知的財産に関連する施策の利用状況においての助成制度利用企業 4・3%
びっくりしませんか?
営業情報の流出被害や模倣品の被害にあっているにも関わらず、助成制度の利用はわずか4.3%にとどまっているというのは・・・・
もっと、助成制度の活用を図ってもいいと思うのですが、この報告書でも指摘していることですが、「最後に、特許料などの減免制度の利用要件が厳しいことや、手続きの煩雑性など」が助成制度の活用をいまひとつのものとしているは背景にあるのでしょう。
また、そもそも助成制度があることを認識していない人も多いでしょう。
ですが、もっと大きいのは知財屋さんが敷居を高くしていることにあるように思います。
例えば、知財屋さんは何かというと特許特許と特許に持っていこうとして、経営の中で企業の保有する知的資産を如何にして保護するかという話をできない場合が多いこと。
また、いいとか悪いとか簡単に結論を出してしまうこと。私のところに来るお客さんの中には2~3件回ってみんな駄目と言われたけど・・・という人も何人かあります。
更に、中小企業は利益率が悪いので、やりたがらなかったりすること。
このあたりのことが原因ではないかと思うわけです。
確かに中小企業と付き合うためには、単に特許を知っているだけではなく、マーケッティングや財務といった経営の話ができないと駄目だし、広いネットワークも必要になってきます。ただでさえ特許や商標の知識をブラッシュアップするのも大変なのに、というのはあります。
でも、企業も新陳代謝します。今の大企業が10年後存続している保証はどこにもありません。逆に今小さな会社でも10年後は大企業になっている会社もたくさんあるでしょう。
われわれ知財屋さんは、こういうこれからの中小企業を盛り立てることも大いなる使命ではないかと思うのです。
ではでは
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