オールフリー No.3

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こんにちは、
弁理士松山裕一郎です。

今日は、「オールフリー」の3回目です。
「オールフリー」という商品の開発には、どのような知財の創出が見られるのか、紹介していきます。

(1)知財の創出
 「オールフリー」では、どんな新しい知識があったのでしょうか?
①アルコール、糖質、カロリーすべてゼロという成分
②味(よりビールらしい味)
③パッケージデザイン(ビールらしくないデザイン)
集約すると以上の3つになると思います。
 それぞれどのように知財として創出されたか考えてみたいと思います。

①について
 成分に関する知見は、種々飲料で得られていたと思います。
 たとえば、ノンアルコールの麦芽使用飲料に関する技術は、平成18年には出願されています(特開2008-43292号公報)。また、低カロリー化技術は平成13年には出願され(特開2003-47453号公報)、糖質低減技術は平成17年には出願されています(特開2006-325561号公報)。
 ざっと見ただけでも結構な数の特許技術が出ていましたから古い技術や論文を検索するともっと古くから多くの技術開発を行っていることがわかると思います。
 もちろん古くからノンアルコールビアテイスト飲料として、いまのような非醸造タイプを考えていたわけではないでしょうが、キリンフリーにより非醸造タイプでいけることがわかりさえすればすぐに対応して製品化できるだけの技術はもともと持っていたということだと思います。

②について
 このオールフリーという商品は、ビール好きの顧客にも好かれる味を目指した商品であり、そのことは顧客アンケートを実施した結果にも表れているということです。そのための技術である、香味付与剤(WO2009/078359公報等)の開発や雑味を消す技術の開発等ビアテイスト飲料の味をよりビールらしい味とする技術については、オールフリーの販売前から種々開発されています。

③について
 サントリーという会社は昔から広告のうまさには定評があると思います。
 商品の見せ方一つで評価が全然違ってくることを肌で知っている会社であることがこのような商品パッケージを考え出すことを可能にしていると言えます。しかし、オールフリーのパッケージデザインについては多分に先の商品の失敗経験が生きているのではないかと思います。オールフリー以前では全メーカーの商品がビールをにらんだパッケージデザインとなってしまい、差別化されなかったという経験があったのです。もっとも、全メーカーの商品がこけたわけですから差別化もなにも関係なかったのですが・・・。
 それに対して、オールフリーにおいては、すでに巨人化した「キリンフリー」という商品があり、「キリンフリー」との差別化を図るのは必須だったわけです。そんな中「キリンフリー」と同じようなビールに近いパッケージにしても差別化は図れないので、斬新なパッケージデザインを考える必要があり、先の失敗を活かしてノンアルコール飲料であることを前面に押出し、ビールっぽさを消し去ったのです。
 過去の失敗経験と巨人との差別化とを考えた末に創出された知識であると言えると思います。
(取材協力 新井隆)

ではでは

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