Last Updated on 2014-06-13 by matsuyama
こんにちは、
弁理士松山裕一郎です。
今日から何回かに分けて「シャトルシェフ」に関する知財の状況を分析していきたいと思います。
まずは、この「シャトルシェフ」が開発された流れを簡単に見ていきましょう。
(1)現象
真空保温調理器「シャトルシェフ」!
この調理器具は、従来の加熱調理に加えて、保温による調理を行えるという点が特徴的です。熱をかけ続けることなく調理ができるというのはかなり画期的ですよね。保温ということは火にかけていた時よりも温度が下がるだろうと思いますから、そんなので本当に調理ができるのか?って思います。
でも保温で調理ができてしまう調理器具、それがこの「シャトルシェフ」です。火にかける時間が短くなることで、電気代・ガス代の節約にもなり、環境に優しいというメリットもあります。
この製品は、もとは日本酸素株式会社(現 大陽日酸株式会社)が製造していましたが、現在は、子会社のサーモスが「シャトルシェフ」を製造しています。日本酸素は、もともと工業用ガスのトップメーカーでしたが、素材産業であるため、景気に左右されやすいという弱みを抱えていました。そうした状況下で、20年ほど前から低温利用技術などを活かして、生活関連分野に積極展開する中で生まれたのが「シャトルシェフ」でした。
同社が78年に商品化した世界初のステンレス製魔法びんの技術を応用したことがポイントで、真空断熱構造のステンレス製保温容器(簡単に言えば魔法びんです)に取っ手付きの調理鍋をはめ込んで密封保温する仕組みになっています。
保温容器と調理鍋を分けたことが成功のカギとなり、89年の製品発売以来、国内約250万個、海外約100万個を売り上げました。特許も24件が登録済みであり、現在は11カ国で特許を取得するなど海外市場にも目を配っています。
(取材協力 新井隆)
ではでは
【参考URL】
・http://www.jpaa.or.jp/activity/publication/hits/hits12.html(日本弁理士会 ヒット商品を支えた知的財産権Vol.12 「シャトルシェフ」)
・http://www.kodawariyasan.com/1club_html/siyatoru_hiwa.htm(こだわりやさん 「シャトルシェフ開発秘話」)
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