AKB、さらに続きです。

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Last Updated on 2013-03-29 by matsuyama

こんにちは

前回セミナーの告知を載せさせていただきました。

なぜ有料なのか聞かれたりするのですが、確かに無料にすれば人は簡単に集まりそうな気がするのですが、いろいろ試してみたいと思ったことが第1の要因で、少しでもお金を支払って聞きに来る人はより真剣に聞くのではないかと考えたことが第2の要因です。

まぁ、初回なので試行錯誤してやっていきたいと思います。

さて、続きです。

②強力なコンセプトを打ち立てた上で地域密着・地域代表制度の採用

 AKB48が本当にメジャーになったといえるのはシングル「大声ダイヤモンド」からだと思います。このシングルはレコード会社を移籍した後の第1弾シングルだったのですが、移籍してシングルを出すまでに7カ月もかかっています。これは準備にそれだけの時間を要したということもあるのでしょうが、それ以外に名古屋を拠点とする姉妹グループSKE48の立ち上げ準備に労力が割かれていたこともあったりするのでしょう。真相はよくわかりませんが・・・そして、「大声ダイヤモンド」ではSKE48から当時若干11歳でSKE48に加入してわずか3か月の松井珠理奈さんを選抜メンバー(前田敦子とのダブルセンター)に抜擢し、CDジャケットも松井珠理奈さん単独としています(AKBのジャケットをメンバー単独とするのは画期的なことであった)。

 確かに「大声ダイヤモンド」は楽曲がよく(マーティー・フリードマン等音楽関係者の評価も高いし、私も好きです)、売れる要素はあったといえるます。しかし、違う見方をすると、東京秋葉原の代表という地域密着の要素だけでなく、秋葉原に名古屋栄という別の地域も融合させることで、地域代表を応援するに近い感情を刺激している点にも成功の原因があるのではないかと思えます。この意味で松井樹理奈さんの起用は単なる話題つくりではないと思えるのです。

 すなわち、コンセプトを同じにする団体の東京代表と名古屋代表とを同一のマーケットにて戦わせることで、単に地域に密着した活動を行う団体というのではなく、一つの団体(ブランド)の中に地域の代表を応援するという甲子園の高校野球に似たスタンスをも持ち込んだといえます。地域密着と地域代表とを融合させることで、当該「団体(ブランド)」自体の知名度を上げ、「団体(ブランド)」をマーケットに浸透させるという戦略を採用し、その第1弾としてまずは名古屋代表を東京代表に混ぜて、「団体(ブランド)」の存在を認知させたのではないかと考えられます。今ではAKB、SKEの他、大阪難波を拠点とするNMBや博多を拠点とするHKT、はては海外のJKTなどがデビューし、AKB、SKE、NMBはいずれもオリコン1位を獲得するなど地域性を組み合わせた戦略もうまくいっているといえます。

 このような戦略は現代のグローバル戦略にも通じるものがあるのではないでしょうか? 韓国企業は、外国においてもその地域に入り込んで浸透させるのが上手であるといわれます。たとえばサムスンとLG!サムスンは、韓国人を現地に長期駐在させて現地の趣味嗜好や文化を取り込み当該地域で受ける仕様を適用するという戦略を採用しており、LGは現地においては現地人を主要ポジションに採用することで、当該地域で受ける製品を作成するという戦略を採用しています。

 しかしながら、これらの韓国企業の戦略においても一つのブランドの中に地域代表の要素を持ち込むことはできていないのではないでしょうか?一つのマーケットの中に韓国サムスン、タイサムスン、上海サムスン等複数の地域代表がそれぞれの地域特性の高い商品を持ち寄り消費者に選ばせるような戦略は採用していない(実質的にはやっていると思いますがブランド化まではしていない)が、これこそがAKB48の採用した戦略であり、今後のグローバル展開の一つの形となりうるのではないかと思うのです?

まだまだ続きます。

参考文献を記載するのを失念しておりました。以下の通りです。

日経エンタテインメント! 2011年4月号の秋元氏インタビュー

『BUBKA』 2009年1月号の秋元氏インタビュー

日経トレンディ 9月4日発売10月号「編集長インタビュー」

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この記事を書いた人

特許事務所での実務を活かして、知的財産にまつわるあれこれをご紹介していきます。

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