シャトルシェフ No.2

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こんにちは、
弁理士松山裕一郎です。

今回は「シャトルシェフ」の第二回です。
「シャトルシェフ」開発の具体的な分析をしてみたいと思います。

(2)分析
「シャトルシェフ」の開発に当たっては、まず日本酸素株式会社が持っていたステンレス製魔法びんのノウハウが大いに活かされているといえるでしょう。魔法びんの構造は、2枚のステンレス板を空間が形成されるようにして貼りあわせ、その空間を真空断熱層にするというものです。真空の層があると熱が伝わらないという性質を利用したものです。ちょっと不思議ですが、熱は分子の振動により伝達されますから、真空だと熱を伝達する分子がないので断熱されるというわけです。

「シャトルシェフ」の開発の契機となったのは、社内での話の中で「魔法びんで豆が軟らかくなる」という話であり、非常に身近で何気ないものでした。しかし、この話でピンときた方がいて、この話をヒントに新製品の開発として保温式の調理器具を作ろうということになったそうです。同社におけるアセット分析を行いながら、魔法びんの技術をうまく活用していったといえます。

また、ただ単に新製品の開発を行うだけではなく、商品化に向けたレシピ作りにも力を注ぐなど、消費者の視点を意識した対応も見て取ることができます。「はたして本当にこの商品を使ってもらえるのだろうか」という問いを自分たちに投げかけることで、商品としての「使いやすさ」を追求していったといえます。今までにない商品だし、それまでの常識からすると「保温で調理できるの?」と思われるのは当然でしょうし、保温式特有のレシピもあって通常の作り方で作ってもおいしくないかもしれません。そこで20品目ほどのレシピをまとめたということです。このレシピつくりのために2年という時間を費やしたことですから、使い方をしっかりと消費者に伝えることの重要性をよく理解されていたのだと思います。その結果、煮くずれしない、味がよくしみ込むといった開発者も深く考えなかった効果が消費者の声として寄せられています。単なる製品の良さだけではなく、消費者がうまく利用することで製品の良さをより理解してもらうことができているのでしょう。
(取材協力 新井隆)

ではでは

 【参考URL】
・http://www.jpaa.or.jp/activity/publication/hits/hits12.html(日本弁理士会 ヒット商品を支えた知的財産権Vol.12 「シャトルシェフ」)
・http://www.kodawariyasan.com/1club_html/siyatoru_hiwa.htm(こだわりやさん 「シャトルシェフ開発秘話」)

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