Last Updated on 2013-04-12 by matsuyama
こんにちは!
さて、AKBのラストにしたいと思います。
あと、ブログ引っ越しします。以下のアドレスです。今後ともよろしくお願いします。
さて、前回までに説明したことは工業製品にも当てはまることですね。代表的なものにSONYの「AIBO」やAPPLEの「iphone」があります。AIBOは、電子ペットであり、思うとおりに動いてくれないという意味で不完全ですが、それが購入者になくてはならない存在感を与えて、固定ファンを獲得しました。iphoneは言うまでもないですね。
現在の日本の工業製品は完全性を求めるあまり機能過多に陥っていますね。どんなに完全を追い求めても100%の人に満足されることはないのに、顧客の求める声を反映することで安心感を得ることに奔走してしまっているように思えます。AIBOやiphoneのようにあえて消費者が「完全」になるように足りないところを埋める余地を残すことも一つの道ではないでしょうか?ちょっと飛躍しますが、育てる楽しみという祇園の舞妓文化を根底に置く日本人ならではの発想が生きるのではないかと感じます。
では、現代における新事業成功のために必要なことは何でしょうか?
やはり、新事業を立ち上げる際には如何に固定ファンを作るかがポイントになると思います。 しかも、経時的な順番があると考えます。
すなわち、①消費者(B2B,B2Cに係わらず)に面白い、見たことがないと思わせる商品設計を行う。
このような商品設計で成功した商品としてはたとえば、様々な人の顔を表現できるジグゾーパズル「ジガゾーパズル」、ドラッガーのマネジメントを女子高校生を主人公にした小説の形で紹介した、通称「もしドラ」、雑誌と付録のどちらがメインなのかわからない宝島社の雑誌「ムック」等がありますね。
②その際の商品設計には完全さを追求するのではなく、強力なインパクト(上記の面白い、見たことがないという感覚)を持たせた上で、どこか不完全性を残し、ユーザーが育てる感覚を持てるようにする。
上述のAIBOやiphone、他にもたくさんあると思います。ポイントは、単にカスタマイズ性を持たせるというのではなく、明確なコンセプトを持ち、最低限必要な部分については十分に吟味した満足度の高い性能を付与した上でカスタマイズ性を持たせているということで、プロの目と消費者の目とを両立させて商品設計を行っているように思います。
③全国展開や世界展開を行う際には、地域に密着させると共に地域代表としてファンが応援したくなるように、マーケットに各地域代表の性格を有する商品を流通させるようにする。この点、現状では事例が思いつきません。今後AKBが海外で成功し、現在進行中のJKTやSNHが成功すれば一つの事例になりますね。
ここまで見たことのどこが知財なの?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、まさに、①と②とは知財の創出、③は知財の活用にあたると思います。ここで、さらに知財の維持としてブランドの維持の観点を加味すれば、知財のサイクル完成です。ブランドの維持においては、知財創出期ではネットに垂れ流し状態で流していた映像を最近では制限していることでも見て取れますね。
まだまだ語りたいことはたくさんあるのですが、この辺で!!