審決取消請求事件:商標法3条・4条「一般的な名称」

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Last Updated on 2019-07-08 by matsuyama

事案の概要


全文はこちら:http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/702/088702_hanrei.pdf


本件商標の商標権者であるXが、指定商品のうち「再起動器を含む電源制御装置」について本件商標の登録を無効とするとの審決を求めて審判請求(以下「本件審判」という。)をした。
それに対して、特許庁は,「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決(以下「本件審決」という。)をした。 これを受けてXは商標登録無効審判請求に対する不成立審決の取消訴訟を提起した。

争点

争点1)商標法3条1項1号、3号に該当するか
争点2)商標法4条1項16号に該当するか

結論

争点1:商標法3条1項1号、3号に該当しない。

本願商標の出願時及び査定時において,「リブーター」の文字が,商品「電源制御装置」の一般的な名称として,取引者,需要者に認識されていたという事実は認められないから,その指定商品との関係において,普通名称ということができない。 したがって,本件商標は,商標法3条1項1号に該当しない。

「本件商標は,特定の観念を生じない一種の造語を表したものと理解するのが相当であって,特定の商品の品質等とすべき何らかの理由を見いだすこともできないから,自他商品識別標識としての機能を十分に果たし得るものというべきであり,その登録査定時において,商品「電源制御装置」の品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解され,認識されていたとはいい難く,商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標とはいえない。 したがって,本件商標は,商標法3条1項3号に該当しない。

争点2:商標法4条1項16号に該当しない。

本件商標は,その登録査定時において,その商品の普通名称又は品質等を表示する標章のみからなる商標とはいえないとみるのが相当であるから,本件商標をそのいずれの指定商品に使用しても,商品の品質について誤認を生じさせるおそれもないというべきである。 したがって,本件商標は,商標法4条1項16号に該当しない。

本件についてのコメント

「リブーター」の文字が,商品「電源制御装置」の一般名称かどうか、「電源制御装置」の品質等を表すのかどうかが争われた事件です。
この点、「リブーター」という言葉が存在しているかどうかが争点となっていると言えます。実務上は「リブーター」をググってみるのが一番で、ググってみて、「リブーター」が付された商品以外にもヒットするようだと、一般名称又は品質等表示として認定される可能性がありますが、ヒットしなければ大丈夫だということなのでしょう。そして、辞書やWEBに存在しない言葉はいわゆる造語として認定されるということなのだと理解できます。

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この記事を書いた人

特許事務所での実務を活かして、知的財産にまつわるあれこれをご紹介していきます。

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