Last Updated on 2014-08-29 by matsuyama
こんにちは、
弁理士松山裕一郎です。
今日は「シャトルシェフ」の最終回です。
「シャトルシェフ」における知財の活用を見ていきます。
(4)知財の活用
現在では、シャトルシェフは多数の種類が揃っています。大きさや色、デザインの他、性能、使い勝手で多数のラインナップがあります。基本性能も多少は変わっているのかもしれませんが、性能の進化よりもデザインや使い勝手の点でバリエーションが増えているようです。確かにかわいいデザインのものがあります。
技術的な知財は、ほぼ製品開発時に得られたものを活用している構図です。
特筆すべきは、レシピによる使い方のノウハウがすごく発展していることです。ノウハウを公開することで、新たなノウハウを呼び込んでいます。最初はレシピ20種類だったということですが、現在はサーモス社のホームページで「シャトルシェフ」だけで100種類くらいのレシピを確認できます。消費者から寄せられた声を基にしている記事もありますので、まさにノウハウの公開が外部からのノウハウの供給を助けている例だと思います。
また、すごいのは他の製品やレシピではなく活用術にまで派生させているところです。「シャトルシェフ」で得たノウハウ開示とそれによる情報取得の手法を用いて、他の製品でもレシピや使い方のノウハウを公開することで、消費者の製品理解を深めると社内での知識の共有化も図っているのかもしれません。担当製品が違うとよく判らないということは、社内では通用しても社外では通用しませんから。
製品の性能が使い方のノウハウを公開することでよく理解してもらえるという、「シャトルシェフ」の特性もあるでしょうが、うまくノウハウを活用して新しいノウハウを呼び込んでいる例ではないでしょうか?そして、この外部からのノウハウ情報を基にして新しい製品開発につなげることもできているのではないかと思います。パスタクッカーのような製品も出ていますので。
(取材協力 新井隆)
ではでは
【参考URL】
・http://www.jpaa.or.jp/activity/publication/hits/hits12.html(日本弁理士会 ヒット商品を支えた知的財産権Vol.12 「シャトルシェフ」)
・http://www.kodawariyasan.com/1club_html/siyatoru_hiwa.htm(こだわりやさん 「シャトルシェフ開発秘話」)
・http://www.thermos.jp/(サーモスHP)
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