ラウンドミニショルダーバッグ事件に思うこと

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昨日の記事で、なぜ意匠権をもっと活用しないのかという趣旨のことを述べました。

本当は一般論として意匠権を活用することのメリットとデメリットがそのまま当てはまればいいのですが、ファーストリテイリングさんくらいの影響力の大きい企業さんになると、通常のロジックが当てはまらない可能性は高いです。

一般的に意匠登録のメリットは、権利の存在が明らかとなるので侵害の特定と権利行使によるビジネスの保護が容易となるのが一番だと思います。このため、コンプライアンスが重要になっている昨今では、まともな企業であれば他社の権利の存在を認識して、権利侵害のないようにビジネスを行います。要は競合他社への牽制効果があります。

この他にも、社員のモチベーション向上、マーケティング効果等など種々の効果が得られます。

対して、一般的な意匠登録のデメリットは、費用がかかることくらいでしょうか。登録するに越したことはないです。

しかし、意匠登録しようとしてできなかった場合、すなわち、拒絶査定が確定した場合にはどのような問題が生じるでしょうか?

実はこれが問題になるのです。

登録されればいいのですが、登録されなかった場合には、権利が存在しないことになります。とすると、誰もが自由に実施していいことになります。(あくまでも原則はです。例外はありえます)

誰もが自由に実施していいものを実施して、意匠法でない他の法律によって実施が制限されるというのはいかがなものかという議論が発生しかねません。

もちろん、一つの法律では許されることが他の法律で許されないとされることはありうることではあります。

しかし、物品の形状等の点で何ら特徴的ではないから権利化に値しないと判断されたものが、商品等表示として特徴的であると認定される可能性はどれほどあるでしょうか?

個人的にはかなり厳しいと思います。

だとすると、意匠登録できればいいですが、意匠登録の可能性が6割程度であれば、意匠登録の可能性にかけるよりも圧倒的な宣伝力で著名な商品にしてしまった方が、不正競争防止法による保護を受けやすくなるということもありうるのではないでしょうか?

もちろん秘密意匠等諸制度を活用して権利化と不競法による保護の両立を目指すのは正論なのですが、ファーストリテイリングさんのような膨大なアイテム数を融資且つライフサイクルが短く、何が当たるのか予測がしにくい業態では費用対効果が悪すぎるでしょう。

以上のことからすると、上記の業態で、圧倒的なチャンピオン企業であるファーストリテイリングさんにおいては、意匠登録の是非を問うのはあまりにも結果論であり、ナンセンスですね。

ではでは

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