技術流出は法律で守れる?

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Last Updated on 2013-12-02 by matsuyama

こんにちは、
弁理士松山裕一郎です。

営業秘密やノウハウについて、新法を設立することで対応するべきという声が産業界から上がっているという事です(参考:2013/12/2付 日本経済新聞 朝刊)。
現状の不正競争防止法だけでは十分に企業ノウハウが守れないからのようです。

確かに、現状の制度では不十分だと思います。
特許では開示されてしまいますので、ノウハウを完全に保護するのには適さない場合があります。
不正競争防止法で保護するには、秘密管理の要件が不明確でどう運用していいのか判らない場合も多いようです。私も秘密管理のコンサルを行うと窮屈すぎる指導にならないように、且つスカスカになって実効性のないものにならないようにしなければならず、なかなか難儀でした。

ボスコの事件でもって本当に危機感を覚えているようです。

でも、本当に法律を変えればいいのでしょうか?

法律を変える必要がないとは思いません。
特許法だって、公開の代償に権利を付与するという思想のもとに制定された産業立法ですが、その立てつけはいいとしても現在のグローバル時代には「公開」が国益のためにならない(全世界のためになるというとらえ方もあります。私は反対ですが)こともあることを認識して再構成するべきときなのではないかと常々思っています。

しかし、法律はあくまでも利用するものであって、振り回されるものではないと思うのです。
もちろん今話題の「秘密保護法」のように官憲ばかりが利用するものの場合にはちょっと違うと思いますが、産業法については、利用しなければいけません。
そのためには制度を正確に把握して、自分にとって利益が出るように有効に活用する必要があると思うのです。

ノウハウの保護だって、特許か秘密化かという2者択一ではなく、両方を活用することも場合によってはできます。社員が海外企業に流出しないように、情報制限をかけてトップシークレットを知っている人間が辞めたくなくなるような社内環境を整え、または情報の流出ルートが簡単に判明するようにトラップを仕掛けることだってできるはずです。

でも今まで企業はそんな努力をしてきたのでしょうか?
ほとんどの企業が2者択一論で終始し、最悪の事態を想定して情報管理をしてはいないと思います。

このような姿勢を正すことなく、法律の変更だけを求めても結果は見えているのではないでしょうか?

ではでは

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特許事務所での実務を活かして、知的財産にまつわるあれこれをご紹介していきます。

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