論点再考2

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Last Updated on 2013-04-05 by matsuyama

均等論についても少し問題のある書き方をする方がいらっしゃいます。
均等論はボールスプライン事件で示された5要件を書くということが常識なのですが、下手に立証責任の分担の話を知っている場合に、最初の3要件のみを記載して終わりにしてしまう方がいらっしゃいます。
本来均等論の5要件は全て原告側すなわち権利者側が立証する必要があります。しかし、5要件のうち最初の3つの要件と後の2つの要件とでは少し趣が異なります。すなわち、「対象製品等が、特許発明の出願時における公知技術と同一、または公知技術から容易に推考できたものではないこと」および「対象製品等が特許発明の出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの特段の事情がないこと」は、権利者に立証しろといっても無理な相談になるということは容易に想像できると思います。
なので、最初の3要件は権利者に立証責任を負わせるが、後の2要件は被告側に立証責任を負わせることとしたものです。

ですから均等論を書く際には、まずは均等論を採用する必要性・許容性を述べた上で、均等論の5要件を示し、さらに立証責任を問題にする場合や被告側の抗弁を問題にする場合には立証責任の分担の問題があることを示し、最初の3要件と後の2要件とを分けて考える必要があることを示す必要があると思います。

本試験で均等論が聞かれる可能性は、書くことが多くほかに聞きたいことが聞けなっくなるので低いと思うのですが、受験生の方で、均等論の要件と立証責任の分担の話とを混同されている方は気をつけてください。

論点の要件についても原則が何かをしっかり把握することが大事な事なのでしょう。

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