Last Updated on 2012-11-15 by matsuyama
こんにちは、
弁理士松山裕一郎です。
いきなりですが、サムスンの時代なのでしょうね。
サムスンの記事ばかりが日経の紙面を覆っているような印象すらありますが、その中でもこのさらば日の丸電機 技術流出誘うサムスンの磁力という記事は考えさせられるものですね。
特に、気になったのは日本の企業では見向きもしないものをサムスンでは使えるのではないかと考えてアプローチをしてくるという部分です。
似たような話は他にもたくさんあって、有名なのは「燕」の磨き屋シンジケートの技術をアップルが着目していたことでしょう。
サムスンの成功の要因はいろいろあるでしょうけど、我々としては見習うべきところは見習わないといけないと思うのです(好き嫌いは別にして)。
韓国の為替相場のせいとか、人件費が日本に比べて安いとか要因はいろいろありますが、知識の創造の観点からうまく他人の知識を取り込むことに長けていることを挙げている論調はあまり目にしません。
日本の技術者を引き抜いているという話はよく聞きますけど・・・・
本当に見習うべきは、知識の融合を図るためには広く他人の知識を集め、頭から否定することなくまずは取り込んでみる、という姿勢ではないでしょうか?
よく民族の比較として話に出ることなのですが韓国の方がたは「とりあえずやってみる」けど日本人は「みんながやるまでやらない」ということが言われていたりします。
しかし、ビジネスで、というか新知識の創造の観点からは、とりあえずやってみてダメなら他の道を探るという姿勢がないと新知識の創造なんてできません。こんなことはみんな分かっていることでしょう。
でも、ビジネスのための知識創造となると途端に「みんなやっていない」から試さないという理屈がまかり通ります。
この理屈こそが日本の製造業の凋落の主原因のような気がしてなりません。
オープンイノベーションという言葉は流行っていて、複数の技術が複雑に絡み合って製品が形になる現在の産業においては、このオープンイノベーションを避けては通れないと思います。
でも、自分のプライドを捨ててでもとりあえず取り込んで試す、という姿勢がなければ単なる掛け声に終わってしまうと感じるのです。