Last Updated on 2012-11-13 by matsuyama
こんにちは、
弁理士松山裕一郎です。
ちょっと前の記事ですが、企業の特許資産規模、パナソニック3年連続首位 という記事がありました。
これは、パテントリザルト という会社の特許分析ソフトを用いて測定した結果ということです。
このソフトは独自の解析指標であるパテントスコアを用いて特許の価値を算出していまして、このパテントスコアを基にして特許資産の価値を算出したということです。
同様にアメリカでの特許資産のランキング記事、「米での特許資産規模、トップ10に日本勢5社 11年度、民間調べ 3位にパナソニック 」があります。
パテントリザルト社という1民間企業の指標ですが、結構吟味された指標ですしそれなりに参考になるのだと思います。
問題は、こういう記事を見ても企業の利益との齟齬があると感じてしまうことではないでしょうか?
こういう記事を見て思い出すのは、よくある誤解です。
いい技術を持っていていい特許を持っていれば、知財をライセンスすることで儲かるはずだという・・・。
そもそもいい特許ってなんでしょうか?いい技術といい特許とは全然違うもので、新規でアカデミックな観点からは評価が高い技術であったとしても、それがビジネス上売れる技術だとは言えません。考え方の順が違うのです。
売れる商品に採用されている技術だからビジネス上いい技術であり、そのいい技術を保護する特許だからお金を生むいい特許なのです。
要は、特許はビジネスの道具であって、特許だけでどうにかなるものではないことを理解しないといけません。その意味で、知財とマーケッティングとは切っても切り離せないものだということを理解しなければいけませんね。