ガリガリ君 No.3

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Last Updated on 2014-12-12 by matsuyama

こんにちは、
弁理士松山裕一郎です。

今回は「ガリガリ君」の第3回目です。

(1)知財の創出
 この商品ではいくつかの新しい知識を作り出しています。以下に見ていきたいと思います。
・新形態のアイスキャンディー
 普通、アイスキャンディーというとアイスクリームやシャーベットに棒が付いているイメージですが、ガリガリ君®はかき氷に棒が付いています。
これって一見簡単なようで実際には非常に難しいはずです。かき氷は、当たり前のことですが、バラバラにした細かい氷の粒の集合体ですから、そんな氷の粒に棒を刺したところで、ちょっとした衝撃や温度変化で崩れてしまいます。これをアイスキャンディーでコーティングするというのはコロンブスの卵でなかなか思いつかないと思いますし、コーティングするキャンディをどんな配合のものとするかも結構難しかったと思います。
新しいアイスキャンディーを開発した点で、商品形態と技術面とで新知識を多数創出していると言えます。

・イメージを重視しつつイメージを無視したネーミング
 「ガリガリ君®」というネーミングは、かなりすごいです。
 かき氷というイメージを大事にするなら「ガリガリ」という音は使わないでしょう。
どちらかというとシャリシャリ、サクサクの方が適しているのではないでしょうか?その意味ではかき氷というもののイメージは無視、というか壊していると言えます。
 しかし、商品イメージにはぴったりです。食べてみると、まさに「ガリガリ」ですね。
 こう聞くとなんてことなく聞こえるかもしれませんが、実際にこのネーミングを出すのは通常の企業なら至難の業でしょう。それは、「ガリガリ君®」の前に販売していた「赤城しぐれ」というかき氷商品に引っ張られるのが普通だからです。名前自体はすぐに決まったのかもしれません(どの程度の時間をかけたかは不明)が、非常に柔軟な思考をしたと言えるのではないでしょうか?
 
・斬新なパッケージデザイン
 パッケージデザインも異色です。独特なキャラクターを作り上げています。
最初は女性には不評だったようですが、2000年にCGを駆使したデザインにしてからは大人にも受け入れられ、現在は30代を中心とした大人層にも受けています。しかし、基本的なキャラクターは同じです。
 このような一見受けが悪そうに見えるキャラクターを用いてデザインを行うのは、かなり冒険に見えます。販売前から現在のようにかなりの本数が出るとは考えていなかったと思いますが、ホームランバー®と対比してもかなり異色なデザインなことはわかります。

 このようにガリガリ君は商品コンセプト、技術、デザイン、ブランド化の面、すなわち全方位的に新知識を創出していると言えるのです。
 このような発想の根源はどこにあるのでしょうか?
 やはり、「遊び心」の一言にあるように思います。もちろんビジネスをしているわけですし、経営者からすると経営者自身もそうですが社員の生活を担保する観点から慎重に、無難にことを進めたいのでしょうが、お金よりも「遊び心」をもって人と違うことをすることに価値を見出しているように思います。この他とちがうことをしようという「遊び心」が知財の活用においても非常に生きてきます。

ではでは

【参考URL】
http://www.akagi.com/company/index.html (赤城乳業HP 「会社案内」)
http://j-net21.smrj.go.jp/develop/foods/entry/2010122201.html (JNET21 あの商品はこうして開発された!「ガリガリ君」)

 (SMBCコンサルティング ヒット商品番付「2010年のヒット商品番付」)

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