株式会社いろどり(全2週)~第2回~

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Last Updated on 2013-04-12 by matsuyama

こんにちは、発行者のアステックIP Solutionsの代表、弁理士の松山です。

ビジネスで成功するための知財形成に関するメールマガジンを始めることになりました。
ヒット商品や特徴のあるプロジェクトを取り上げ、現象分析と知財形成のプロセスを各事例、2回にわたって紹介していきます。

今回は、徳島県勝浦郡上勝町にある株式会社いろどりの「葉っぱビジネス」の第2回です。
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○株式会社いろどり(全2週)~第2回~

☆知財について

☆次回のメルマガ

・知財活用のためのセミナー開催のお知らせ
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■知財について
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ここで「知財」とは、単に知財権のみを意味するのではなく、知的資産全般を意味します。

(1)知財の創出

知識の創造は、既存の情報を2つ以上結び付けることによりなされるという定義をすることがあります。
まさしくその通りだと思います。

何らかの情報に他の情報を結び付けることで新たな知識が創造されるということですが、知財の創出もそうであると思います。
何らかの知識に新たな情報が加わって、両者が結び付けられることによって新たな知識、ひいては新たな知的財産が作り出されるということだと思います。

このいろどりの事例では、
いくつもの知財が創出されていると言えます。

たとえば、

1.葉っぱビジネスの思いつき(ビジネスノウハウの構築)
2.おばあちゃんたちへの葉っぱビジネス教育(人的資産の構築)
3.最新ITの導入による事業効率化(事業ノウハウ構築)

こうした知財の創出には、まず己を知るためのアセット分析にはじまり、夢(理想の商品)を描き、作ってみることが必要になってきます。
「いろどり」の事例では、美しい自然や里山という上勝町が持っている知識のコアにたどり着いています。
また、「葉っぱ」を売るという思いつきも、知財創出の上で重要な素人の発想に則っているといえるでしょう。


   
(2)知財の活用

描いた夢(理想の商品)を現実にするためには収益モデル(ビジネスモデル)の確立が求められます。

自分のほしい商品が市場でも求められているとは限らないため、市場の反応を見ながら、市場のニーズとすり合わせをしていく必要があります。

「いろどり」に即して見てみると、プロジェクトのきっかけこそ、一人の農協職員の思いつきでしたが、市場のマーケティングや出荷先の選定などは町のおばあちゃんたちが自らPC(ブロードバンド・ネットワーク)を駆使して行っていることがわかります。

つまり、売れる商品をつくるための働きかけを町のおばあちゃんたちが進んで行っているのです。
おばあちゃんたちに「葉っぱビジネス」教育を行いつつ(人的資産の構築)、最新ITの導入による事業効率化(事業ノウハウ構築)も図っているといえます。


(3)知財の維持

ビジネスを維持するという観点から知財の保護は重要です。

そのために、ブランド化を図ることが大事になります。
「ブランド化」には、他との違いをみんなが理解でき、その違いが維持されている必要があります。

「いろどり」の場合も「つまもの」を「葉っぱ」と表現することで、他との差異化を図るとともに、みんなに認知されやすいネーミングとなっています。

そして、大事なのは、「葉っぱビジネス」の出所を認知させることにあります。
このための努力をして初めて

「葉っぱビジネス」→「いろどり」

のブランドが確立されて、知財の維持、ひいてはビジネスの維持が図れるということになります。

この会社では、その維持のために積極的にPR活動を行い、「葉っぱビジネス」といえば上勝町という図式が成り立つようにしています。
この努力があってこそ、ということなのでしょうね。

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次回は、KING JIM(キングジム)の「ショットノート」の現象と分析についてです。
何をきっかけにして、「ショットノート」は開発されたのか。そのプロセスと分析をご紹介します。

▲知財活用のためのセミナー開催のお知らせ

現在、アステックIP Solutionsでは、知財活用のためのセミナーを定期的に開催しております。
今回はビジネスに活きる特許情報の活用の仕方について、みなさんと一緒に考えていきたいと思います。

第2回 儲けるための知財活用セミナー
「ビジネスに活きる特許情報」 

【日時】12月16日(金)
セミナー:15:00~17:00 (参加費:2,100円)
懇親会:17:30~19:30 (参加費:3,150円)

【会場】銀座ブロッサム

詳しくは以下の「セミナーのリンク」をご覧ください。

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